外交の根回し

当時、日本は新羅との関係が悪化していました。

新羅は当時、日本に対して朝貢していた歴史があり、日本側は新羅を
下に見ていたわけですが、新羅側も日本に平身低頭というわけでもなく、
次第に両国の軋轢が増してきた時代でした。

事実、日本国内では、対新羅について対策会議のようなものが実施された
記録がありますし、新羅に使いを出しても新羅の王に会うことなく追い返され
たりした記録や、さらには日本が新羅を侵略しようとして失敗したという記録も残っています(新羅の史料)。

こうした背景もあって、新羅の背後に控える大国、唐との関係を良好に保つことは国策として大変意味深いものであったはずです。

真備2回目の遣唐使にはこうしたことも配慮した上で、新羅との関係を有利に持っていけるように唐に働きかける狙いがあったと推測されます。


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